中川会計事務所

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信用格付けと融資について

信用格付けについて

銀行は信用格付けに基づいて融資を行います。銀行がどのようにして信用格付けをしているのかを知って対処する必要があります。
銀行は、まず融資先を10段階に分けて信用格付けをします。この信用格付けに基づき、債務者区分が決定されます。債務者区分は、5つに分かれています。
正常先、要注意先、要管理債権、破綻懸念先、実質破綻です。
格付けと債務者区分は直結しています。例えば、格付けが1〜6なら正常先、7は要注意先、8は要管理債権、9は破綻懸念先、10は実質破綻というふうに規定されています。
格付けは、決算書でほぼ80%決まります(定量要因)。そのほか定性要因も評価の対象になります。

  • 格付け1−3はほぼリスクなしということで金利も安く設定されます。融資も保証協会なしでプロパー(*)で借りることができます。さらに企業にとって有利な専用当座貸越契約を結ぶこともできます。
  • 格付け4は中間に位置します。交渉次第ではプロパーでの融資を受けることも可能です。
  • 格付け5−6は債務者区分では正常先となっているが、保証協会の保証が要求され金利も格付け1−3と比較して高く設定されます。 企業は金利と保証料と両方を支払うことになります。
  • 格付け7以下では新規の借り入れは難しくなっています。

(*)信用保証協会の保証なしで直接銀行から融資を受けること。企業から見ると保証料がなくなるのでその分経費は少なくなります。

以上のように2極化していることがわかります。格付け1−3は低金利で融資がされ、銀行は融資に対して積極的です。格付け5と6に対しては一転して慎重になります。

格付けを上げるために

企業はまず円滑な融資を獲得するために以下の順で自社の格付けをアップし、銀行の格付けや債務者区分に関する知識を反映した決算書及び経営計画を作成することが重要です。以下の手順で対策を行います。

  • 自社の格付けはどの位置にあるのかそれを把握します。
  • 次の決算までに達成する目標、経営計画の中で3-5年後に達成すべき目標を設定する。特に重要度の高い下記のような項目を向上させることが肝要です。
    • 自己資本比率総資本のうちどの程度自己資本が占めているかを示す指標
    • 債務償還年数債務を何年で返済できるかを示す指標
    • インタレスト・カバレッジレシオ借入金等の支払い能力を示す指標
    • キャッシュフロー借入金の返済原資となる額 税引き後当期利益+減価償却額
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